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      8/15 BIRTH OF PEACE について

       アクションの始まりは、ぼくがパーソナリティーを務めているインターネットラジオKizzna.fm「One Small World」にゲストで来たイタリアのパンクバンドのメンバーが放送中に放ったひと言からだった。スキンヘッドがカッコいい彼は、ことさらに感情的に批判するでもなく、ごく自然な疑問として、ぼくにこう訊いてきた。
       「日本は世界でただ一国、核兵器を実戦で使用された過去を持つのに、なぜ日本のロックミュージシャンはそのことを世界に向かってアピールしないんだ。ヨーロッパを活動のベースにしているオレたちの耳には、そのことが、ぜんぜん聞こえてこない。なぜ叫ばないんだ、なぜなんだ!」
       放送中にもかかわらず、ぼくは絶句した。二の句が継げなかった。
       言い訳ならいくらでも頭に浮かんだ。例えば国内での核兵器廃絶の運動自体が、本質から逸脱したところで分裂して双方が批判と非難に明け暮れている現状に辟易しているとか、原爆の悲惨さは子どもの頃から見聞きしているので核兵器拒絶をいまさら叫ばなくても精神の根幹にしっかり息づいているとか、ヒロシマ・ナガサキを歌うとそれだけでなんか嘘っぽいっていうか古っぽい反戦歌手みたいでイヤだ、などなど、いくらでも浮かんだ。でもそんなことは、彼に、まったく通用しないと直感した。言い訳は言い訳以外のなにものでもないのだ。ほかの人は知らなけど、彼が指摘したとおり、このぼくは世界に向かってどころか国内でさえ、なにも叫んでこなかったし、なにも行動も起こしてこなかった。そのことを、彼は、直球で、ぼくの胸元に投げ込んできたんだ。その球威があまりにも激しかったので、ぼくは数秒間、マイクの前でぼう然と口をつぐんでしまった。
       番組「One  Small World」は音楽を通して世界とつながり平和を考えていこうという趣旨で始まったのだが、そうしてつながった世界で、ぼくはワールドワイドな疑問を逆に投げかけられてしまった。2008年の春だった。
       ぼくは、その年の夏に、ギターを持って、ヒロシマ・ナガサキへ行った。
       8/6と8/9に、まずはひとりで、路上でOne  Small Worldを歌った。
       それから東京に舞い戻り、8月15日に、代々木公園で仲間たちと叫んだ。
       「1945年のこの日から日本は戦争をしていない。だから終戦記念日は平和が始まった日でもあるのだ!  ぼくたちはこの日を、平和が生まれた日とする」
       BIRTH OF PEACEのはじまりだ。
       それから一年。ぼくのささやかな行動に賛同してくれる仲間がふえた。
       そして今年2009年8月15日は新宿MARSで「BIRTH OF PEACE」と題するイベントを行うことになった。日本だけでなくスペインからもアーティストが来日してくれる。もちろんサルサガムテープも出る。フリースクールの学生たちもピースを叫んでくれる予定だ。飛び入りゲストも期待してもらいたい。詳細は随時要チェックだ!
       というわけで、この日にみんなで、1945年から64年間続いている平和の意味をじっくり考えたい。味わいたい。噛みしめたいんだ。
       その平和だが。
       平和というのはとても不安定なもので、それはつまり、戦争していない状態なんだ。平和という変わらない状態が、空気のように、いつでもあるわけではないんだ。もっとシンプルに言うと、戦争をしていない時が、平和なんだ。わかるかい?
       これって、このように書くと当たり前じゃんと思うかもしれなけど、とっても深いことなんだ。考えのベクトルを変えると、戦争していないわずかな期間を平和と位置づけてもいいんだ。もっとストイックに言うと、人類は戦争をしているときが恒常だからこそ、平和に価値が付加されると言い切ってもいい、とぼくは思うんだ。だからぼくたちの国が、たとえ日米同盟の礎があっての平和にしても、アメリカの核の傘下においての平和であっても、非核三原則なんか笑い話だと分かっているにせよ、武器の間接的な輸出で膨大な利益を得ている企業名を知っているにせよ、64年間戦争をしていないという事実を、ぼくは素直に誇りたいんだ。そして、そんな考えは取るに足らない甘っちょろい感傷だと反論する硬派な論客と、真っ向対峙する準備も、ぼくは密かに進めている。
       はっきりいって愚痴っぽく聞こえてしまうけど、いまの日本の夏は大規模なロックフェス花盛りで、ロックバンドにとってこの時期は稼ぎ時だからみんな大忙しで、8/15BIRTH OF PEACEどころじゃないらしいんだ。でもさ、86や89や815 にピースを叫ばないロックフェスって世界レベルからすると大ヒンシユクかうかもしれないってことを知った上で金稼ぎに汗を流してもらいたいと、ぼくは願う。だから今回参加してくれるアーティストの諸君にはほんとうの意味で、仲間だと、ぼくは思っている。断っておくけど、暇だから参加してくれるんじゃないんだよ。忙しいのに来てくれるんだ。ぼくは、そういうヤツらだけが、信じられるんだ。
       きみも、ぜひ、815に、来てくれよ!

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